👨道元

道元, 日本の📝曹洞宗の開祖.

略歴

1200-1253.

23歳: 南宗へ
27歳: 帰国
28歳: 📚普勧坐禅儀 - 道元禅師を執筆.

📚普勧坐禅儀 - 道元禅師

道元が中国から帰国してまず書いた, 万人に坐禅のいろはを教える文章. 坐禅の奥義書.
道元さんは中国帰国後の若いときが一番ラディカルだが正法眼蔵後期になると丸くなる. 普勧坐禅儀を書いたのはキレッキレのとき.
曹洞宗ではこれをお経として読む. 短いのですぐ読める.
- 💭町田坐禅会で道元の普勧坐禅儀を読む(24/03/23)

http://zazen-ozaki-syokaku.c.ooco.jp/hukan-mokuji5.html

全文

📜心意識の運転を停め念想観の測量を止めて作仏を図ること莫れ - 道元

心意識の運転を停め、念想観の測量を止めて、作仏を図ること莫れ、豈坐臥に拘らんや。

心や意識の働きを止める
念想観とは, 思考や瞑想を指す. 測量は評価や判断のこと. つまり, 思考や瞑想について評価したり判断したりすることを止めるということ.
「作仏」とは仏になること、すなわち悟りを得ることを目指すこと.

🌱お金がほしいとかいらないとかの思考を超えて判断を停止して今に集中する

📜所謂坐禅は習禅に非ず、唯だ是れ安楽の法門なり - 道元

習禅と坐禅の対比.

📚正法眼蔵 - 道元

👨道元の書いた経典.
全95巻の超大作. 33歳から書き始めた.
若いときに書いたものと晩年だと思想に変化がある. 若いときは尖ったラディカルだが, 晩年は天台宗におもねっている感がある. すると, 後世のひとたちは解釈に悩むポイント.
📜修証一等

正法眼蔵の意味

📝正法はダンマ.

📚現成公案

正法眼蔵のなかでも最重要な仏説.

悟りの実現」を意味する言葉
安泰寺 – 現成公案

📜仏道をならふというふは、自己をならふなり。- 道元

仏教を学ぶとは自己を究明すること.

仏道をならうというは自己をならう也。自己をならうということは自己をわするること也。自己をわするるとは万法に証せらるるなり。万法に証せらるるというは、自己の身心および他己の身心をして脱落せしむるなり.

🔦本当の自分を探す自分が探される本当の自分を判断できないので問いの立て方がおかしい - 南直哉

📜以水為命以魚為命 - 道元

うを水をゆくに、ゆけども水のきはなく、鳥そらをとぶに、とぶといへどもそらのきはなし。しかあれども、うをとり、いまだむかしよりみづそらをはなれず。只用大のときは使大なり、要小のときは使小なり。かくのごとくして、頭頭に辺際をつくさずといふことなく、処処に謟翻せずといふことなしといへども、鳥もしそらをいづれば、たちまち死す、魚もし水をいづればたちまちに死す。以水為命しりぬべし、以空為命しりぬべし。以鳥為命あり、以魚為命あり。以命為鳥なるべし、以命為魚なるべし。このほかさらに進歩あるべし。修証あり、その寿者命者あるかくのごとし。しかあるを、水をきはめ、そらをきはめてのち、水そらをゆかんと擬する鳥魚あらんは、水にもそらにも、みちをうべからず、ところをうべからず。このところをうれば、この行季したがひて現成公案す。

水の中にいるから魚は自由なんだ、と道元は言ったらしいが、人間も「本来的に自由」ではなくて、「ある環境の中にいるから自由」なんだろう。

なぜ、現代社会は生きづらいのか？浜崎洋介氏の新刊発売！ - YouTube, この動画で知った. <2025-01-04 Sat 21:03>

💭日常生活の家事やルーチンを高速で行うことで心が起動する隙を与えない(24/01/08)

📚生死

しょうじ.

安泰寺 – 生死

📜身をも心をも放ち忘れて、仏の家に投げ入れて、仏のかたよりおこなわれる - 道元

正法眼蔵、生死の巻.

此生死は即ち仏のおいのちなり、これを厭い棄てんとすれば、即ち仏のおいのちを失わんとするなり、これに留りて生死に着すれば、これも仏のおいのちを失うなり。仏の有様を留むるなり。厭うことなく、憂うことなき、是時始めて仏のこころに入る。ただし心を以て計ることなかれ。言葉を以て言うことなかれ。ただ吾身をも心をも、放ち忘れて、仏の家に投げ入れて、仏のかたよりおこなわれて、これに従いもて行くとき、力をもいれず、心をも費やさずして、生死を離れ仏となる

;; https://japanese.hix05.com/Daisetsu/daisetsu31.mushin.html

ただわが身をも心をもはなちわすれて、仏のいへになげいれて、仏のかたよりおこなはれて、これにしたがひもてゆくとき、ちからをもいれず、こころをもつひやさずして、生死を離れ仏となる.

【禅tube】「禅とマインドフルネス〜本当の自分に出会うとは？」③第33回禅をきく会　第三部　藤田一照老師　山下良道老師対談 - YouTube, t43で知った言葉.

📚現代坐禅講義 - 只管打座への道 - 藤田一照(2012)の最終章にも書いてある.

放下着

ほうげちゃく. 着の時は中国の古い文字でかくのが正解.

<2024-05-26 Sun 14:32> 宗保院坐禅会の今日の言葉として紹介. 「仏の家に投げ入れて、仏のかたよりおこなわれ」

📜ちからをもいれず、こころをもつひやさずして - 道元

坐禅の極意, もっといえば仏教的な精進の感覚を表している言葉だとおもうので抜書.

ただわが身をも心をも、はなちわすれて、仏のいへになげいれて、仏のかたよりおこなわれて、これにしたがひもてゆくときちからをもいれず、こころをもつひやさずして、生死をはなれ仏となる。たれの人か、こころにとどこほるべき。

📝精進波羅蜜

📜而今

じこん. にこん. 今だけしか考えない。過去を振り返らず、未来を恐れず。原文:『正法眼蔵』(第十大悟).

いはくの今時は、人人の而今なり。

令我念過去未来現在いく千萬なりとも、今時なり、而今なり。

人の分上は、かならず今時なり。

<2024-08-10 Sat 09:15> 町田宗保院坐禅会. 日本語の只今と同じような噺だったが, じゃっかん怪しい. ただ, 只今が今を意識するというのはそのとおりな気がした.

📚修証義

正法眼蔵からの抜粋で在家向けにまとめたもの.

総序: これを読む.
懺悔滅罪
受戒入位
発願利生
行持報恩

https://teishoin.net/sutra/501.html
明治23年に編纂されたもの, 最近じゃん！
町田宗保院坐禅会で総序をよく読む気がした.
<2024-08-10 Sat 09:30> 町田宗保院坐禅会で読んだ. 正直, これをお経として読む意味がわからない. どちらかというと古文として味わいたい.
<2024-09-04 Wed 19:21> そもそも曹洞宗は出家主義であまり在家のことを考えなたが, 明治になって自活しないといけなくてより在家を意識して編纂. 同時は在家修行で「念仏でも唱えさせれば良いのでは？」という案もでて, それは只管打坐からあまりにも離れすぎると否定されたとか.

📚宝慶記

道元さんが中国に渡ったときの如浄和尚とのやり取りの覚書.

道元語録

📝只管打坐

📜修証一等

修証一等, または行証一如.

仏法には、修証これ一等なり。いまも証上の修なるゆへに、初心の弁道すなはち本証の全体なり。かるがゆゑに、修行の用心をさづくるにも、修のほかに証をまつおもひなかれとをしふ。

正法眼蔵, 弁道話.

<2024-04-28 Sun 12:30> 最近の私のテーマ. 町田坐禅会に参加する目的はこの感覚の体得.
🔦坐禅においてプロセスと結果は別々ではなくひとつのこと - 藤田一照
📑呼吸のような努力
📝ルータイスのコーチング理論
📚正法眼蔵 - 道元禅師
🔦悟りにはガンバリズムから許すというプロセスの二段階構造がある - 魚川祐司

🔦道元の悟りとは見道、得道、道が見えたらそれを歩め - 仏教のアレ

道元の悟り感は頓悟(直ちに悟る)でも漸悟(段階を踏んで悟る)でもない.

見道とは, 涅槃までの道が見えているということ. なので煩悩即菩提のような, 修行しなくても悟りとは違う. 道を見るために修行をする. 道と道でないものが見える.

悟りのような言葉に「仏祖, 得道」という言葉をよくつかう. 得道とは道を得ること. 言っていることは, 目の前に道があればそれを歩めということ.

ref. 仏教のアレLive-18「道元禅師と曹洞宗」 - YouTube, みんな言わないけどオレ達がズバッといっちゃうよ, 的なやつ.

<2024-08-07 Wed 20:16>

🔦仏教の伝統からいえば修行=悟りのロジックがけっこう苦しい - 仏教のアレ

修行の初めから最終的な境地の話をするのが曹洞宗のお家芸.

しかし, 仏教の伝統からいえば修行=悟りのロジックがけっこう苦しい. さらに中国にいって本当の禅を探しても向こうでは道教と合体したような平常禅が流行していてがっかりした.

道元は弟子たちから質問されまくってヤケクソで「つべこべ考えずにいいから坐れ」の目的で言った説. 悩んでないでとにかく坐れ, これが仏道に到る道だ.

仏教のアレLive-12「荷沢神会～“禅”の源流～」 - YouTubeより.

<2024-08-20 Tue 08:43>

佐藤さんも同じようなことを言っている. たしかに修証一等をはじめはいっていたけど、後々では強調されない.

🔦死ぬまで学び続ける生涯学習の日本的美徳は儒教の影響が強い - 佐藤哲郎

📜身心脱落

道元の悟りの境地.

📜帰家穏坐

きかおんざ. 家に帰って穏やかに座る.

「素晴らしいものを得るには苦労をしなければならない」という幻想を打ち砕く言葉.
📜身をも心をも放ち忘れて、仏の家に投げ入れて、仏のかたよりおこなわれる - 道元禅師
💭町田坐禅会４回目参加(24/04/12)

📜無所得無所悟

得ようと思うものがあってはならない.

📜眼横鼻直

眼は横に並び鼻は縦に顔に付いていること.

道元が中国から帰国して比叡山て答えた言葉(ではないというのが最近の研究).

この言葉は, ⛩東雲寺(曹洞宗/成瀬)の坐禅会に初参加したとき知った言葉. 住職は, そもそもこれは道元の言葉ではなく, どちらかというと脚色であり, それを道元の言葉と勘違いして永平寺で修行している若い雲水が得意げに観光客に解説していたことを起こっていた. 裏をとるためにネットで検索すると, まさしく住職が書いたであろう東雲寺ブログがヒットする.

眼横鼻直」は道元禅師の教えではない

その改悪された『永平略録』を参考にして校訂されたものが卍山本（流布本）『永平広録』なのである。

💭眼は横にあり鼻は直眼は横にあり鼻は直にあると眺めれば心はものを思はざりけり(24/06/16)

📜放てば手に満てり - 道元

手放すことによって大切なものが手に入る.

<2024-09-04 Wed 18:44> 手放すというネガティブな表現を、放つというかっこいい言葉に言い換えているところ心を打つ.

Stories

📜フッフォフォ、日本人は修行のなんたるかがなにもわかってないようじゃな - ナゾの典座禅師

宋に単身上陸した若さとプライド高き貴族エリート道元23歳, 早速プライド折られて打ちのめされたトラウマ恐怖体験.

この人は後に天童寺でもあっているらしい. あとで追記したい. たぶんナゾではなく名前は残っているはず.

Topics

💡本覚思想批判

中国に渡って禅を学びたいという若き道元のモチベは天台本角思想に対する疑問から. もし人は本来仏ならば, 私の中に仏がいるのならば, なぜ修業するのだろう？

💡天台本覚思想

📜本来本法性、天然自性身

道元と本覚思想の文脈ででてくる言葉. 出典不明?

💡道元の只管打坐の禅は本家中国の平常禅から外れていて初期仏教により近い説

中国南宋禅の伝統は🧘頓悟禅, それを推し進めた🧘平常禅. これが中国禅宗のメインストリームであり作為的な坐禅はむしろ否定されたので, 道元の只管打坐の禅はそこからは外れている.

むしろ初期仏教に忠実な方向であり, したがって最近のマインドフルネスブームやテーラワーダと相性が良い.

そもそも道元は禅という言葉は使っても禅宗という言葉をつかわず仏法という言葉をつかう. 道元は本格思想に否定的になり「本当の仏教を探しに行くんだ！」といって中国に渡ったものの, 日常生活にありのままを目指す結果そこまでガツガツ修行してない中国禅を目の当たりにし, それでも如浄禅師という硬派なひとの弟子になって修行した.