🪨ツェッテルカステン(Zettelkasten Method)とは

👴🏼ニコラス・ルーマンの考案した, 思考をするための方法論,フレームワーク.

ツェッテルカステンと読む.

Zettelkastenという単語はZettelkastenのフレームワークを指す場合とZettlekastenで管理するPermanent Noteを入れる箱(Slipbox)を指す場合の2つがある.

これらは書き手や文脈で統一されてないので情報を得るときは注意が必要.

ZK method, Zettelと省略されることもある.

👍Zettelkastenの参考文献の決定版はこれ(zettelkasten.de)

📝Zettelkasten System

Slipboxともいう.

Zettelkastenで扱うメモを入れる箱, 転じてシステム. 昔はアナログで箱に収めいていた.

ここで大事なのは他者の知識をいれないこと, すなわちFleeting NotesだったりLiterature Notesをいれないこと, 自分のPermanent Notesを入れること.

Zettelkasten MethodのNotes分類

Zettelkasten Methodでは以下の4種類のノートの概念がある.

  • Fleeting Notes
  • Literature Notes
  • Parmanent Notes
  • Reference Notes

📝Fleeting Notes

思いついた思考を書き留めたもの.何でもOK, 思いついたら何でも書く.

道具は紙でも電子でもなんでもよいが,トピックごとだとあとで整理しやすい.

メインのシステムにNoteを移動したら捨てる,もしくは移動せずにそのまま捨てる.

📝Daily Notes

Zettelkasten Methodの文脈での時系列のFleeting NotesとしてDaily Notes(DNP)という単語がある.

とはいえ,Niklus LuhmanやZonke Ahrensの著作ではこの概念は登場しない.

Roam ResearchやObsidianなどのZettelkastenのソフトウェア実装の文脈でよく登場する.

📝Literature Notes

日本語訳では,文献メモとも言われる.Lit Notes, lit notesと略されることもある.

インプットするたび書く.読んだ本,みたYoutube動画,受けた講座などなど.

  • 覚えておきたいこと.
  • 自分の思考.
  • アウトプットに使いたいもの.

自分の言葉でリライトしながら書く. 著者の思想を自分の思想に翻訳する意味が有る.自分が理解していないものに対しては自分で書くことができない.

カードの裏には書誌情報を書く. これは昔の図書館や小学校にあった図書カードの目録. 図書委員の人がいじってたやつ. 今はデジタル化してしまったから見なくなった.

  • タイトル
  • 発行年
  • 著者
  • 出版社
  • 引用ページ…

📝Permanent Notes

Concept(=概念)が書かれたノート.

番号を振り,他のノートへの関連を番号でリンクさせて, Zettelkasten(a.k.a.Slipbox)のシステムに入れて管理する.

メモには問い(仮説)が伴う. 問いこそが重要.すなわち,問い,仮説,アイデア.

内容は自分自身の思想であり,他者の思想とは明確に区別する(他者の思想は入れない).

ref. 🌱概念にはイシューと仮説が伴う

💡Zettel の構成要素はID/Content/References

The Anatomy of a Zettelの説明が大変わかりやすい. Permanent Notes(Zettelと同じ意味)では3つの要素を紹介している.

  • A unique identifier. This gives your Zettel an unambiguous address.
  • The body of the Zettel. This is where you write down what you want to capture: The piece of knowledge.
  • References. At the bottom of each Zettel, you either reference the source of the knowledge you capture or leave it blank if you capture your own thoughts.

✨Permanent Noteとはブログの見出しのようなもの

つまりNoteをアウトライナーで並べればそれがそのままブログ記事として完成する.

最終的なアウトプットのためにはアウトライナーで階層的にロジックツリーで管理しうるもの.

この Obsidianを利用したZettelkastenの解説動画 でブログ執筆のWorkflowをみて開眼した.みだしの下にPermanet Noteへのリンクを埋め込んでその内容を右ペインに展開すれば,もうすなわちブログ記事がほぼ完成していて,あとはそれを清書するればいい.

💡Evergreen NoteとPermanent Noteの関係

Evergreen Note とはAndy Matuschakが提唱した概念であるが, Zettelkastenから影響を受けているのでほぼ同義. 彼のノートはWebで公開されている(example of Evergreen notes).

しばしばPermanent NoteはConcept Noteと表現される. Permanent Noteが単一のコンセプトを表現するものならば,この名前はわかりやすい.

✨ツェッテルカステンのPermanent Noteはツイート数個分の文章であるが場所や時間への依存関係がない思考メモ

Permanent Notesとはツイート数個分の文章だと思う. ただしツイートのようにタイムスタンプがあり, そのときの出来事や場所に依存しない. だからこそ, あるメモから参照することができる.

<2024-03-24 Sun 09:28>

✨ツェッテルカステンのPermanent Noteは文章における節/Section

✨ツェッテルカステンのPermanent Noteはツイート数個分の文章であるが場所や時間への依存関係がない思考メモ

これは文章の単位でいえば, 節/Sectionに相当すると思う. ツイートが項/SubSectionだと思う.

<2024-03-24 Sun 09:21>

Permanent NotesとReference Noteの関係

Permanent Notesとは,Permanent Noteの集合.Permanent Noteそれぞれは独立しているが, Permanent Noteの性質を扱いたい場合はPermanent Notesという言葉を使う.

またReference NoteはPermanent Noteをキーワードと番号で対にして列挙したもの. 文脈によってPermanent NotesがPermanent Noteの性質を述べるものなのかReference Noteを指すのかは注意.

📝Reference Notes

キーワードとそれに対するメモへのリンクから構成される.

日本語では索引メモと訳される. ZettelKastenシステムに入れるがあくまで索引メモはサブのメモ.


Topics

📝Structure Notes

Zettelkasten界隈の話題を漁っていると, Structure Noteというものが出てくるが, これはTAKE NOTEにはないような気がしている. あえて言えば, Chapter 12の「全体的な概要」メモ.

📝Reference Notesとは少し違う. Reference Notesは現在のソフトウェアシステムにおけるタグ.

しかし, たとえばこのStructure Noteというのはとくにアウトプットで有用な気がする. ZettelkastenのPermanent NoteをTopicごとのメモとして, なにかのブログ記事やプレゼンをするときに, 書き溜めているPermanent Noteをいくつかピックアップして, はじめにと終わりになどで主題を元に再構築し直す. これがかっこいい.

✨落語家の漫談はStructure Noteによるアウトプット


主題が大事だ. Topicからなにを伝えたいか. 一番伝えたいことはなにか? 📝イシューはなんだ?

わたしはこのStructure noteを✅Issue Noteと再定義している.


ルーマンはHub Notesと呼んでいたらしい.

The Money Is in the Hubs: Johannes Schmidt on Luhmann’s Zettelkasten • Zettelkasten Method

🔍哲学者ジシェクの執筆論がツェッテルカステンな件

ツェッテルカステンの思想をよくあらわすショート動画.

アイデアは相対的には練り上げられた形でメモしておく.

ある程度は文章になっている思考の流れのようなものだ.

素材は全て揃っている, あとは並べ替えるだけだ.

メモをつくり, 編集する. 執筆は消え失せる.

🔖哲学者

Zettelkasten Apps

Insights

✨落語家の漫談はStructure Noteによるアウトプット

落語家が漫談をやるときに, 客層をみて即座に引き出しにあるいくつかの小噺をもとに即席で一席を構築することがある. これはStructure Notesのかっこよさに似ている.

🔖落語

⚖PKMとZettelkasten Systemの関係

よく🔖PKM(Personal Knowledge Management)の用語もでてくる.PKMとは個人の情報管理システム.

この言葉自体は古くからあるが,最近のRoamブームで再びよく登場するようになっている.

ここでの問題点は,文脈によってこれが他者の知識をまとめたWikiと自分の言葉や思考をまとめたPKMで混同されてつかわれているところ.そして,それらをZettelkasten Methodを参考にしていると表現されているところ.

⚖Reference NotesとStructure Notes, TOCとMOCの関係

いわゆる目次,TOC(Table of Contents)とはRefenence Notesとは似ている.また,Structure Notesとも表現される.どちらも,構造化したノートという点では広義のReference Notesとなる.

よくObsidian界隈やLYT(Linking Your Thinking)の中で現れるNick Miroさんの 📝Maps of Content はRefernece Noteも近い.Reference Notesに影響を受けているので.

ただ,そこで列挙するものがトピックならばそれはReference Noteではない.Refenrece Notesで列挙するものはConceptsであり,一般的には文で表現される.

Luhmanの方法だと,キーワードとそれに対応する番号を列挙したリストがReference Noteとなる.エントリとなるReference Noteにはキーワードに紐づくリンクはせいぜい1つか2つ.メモ同士の繋がりが驚きを生みこれが重要であるから.索引からメモへジャンプしても驚きはない.1つか2つのメモへのエントリポイントであればいい, という考え方.そしてエントリから飛んだ索引メモには,さらに最大25個のPermanent Notesが列挙されていて,それらは英数字で管理された.たとえば,1.a, 1.b, 2.c..など.

Table of Contentsだと,いわゆる本の目次のようにひとつのノートからすべての階層が一覧できる.これはluhmanの方法とは違う.

✨Literature Noteを自分の言葉でリライトすることは生成効果により記憶が強化される

📝Literature Notesを自分の言葉でリライトすることは記憶における📝生成効果を促す.

自分の心から生成された方が情報が記憶されやすい現象. つまり脳がより活性化する.

✨Permanent Noteの抽出には怠惰なDRYマインドとExtract Functionパターンがある

普段Journalを書いていて📝Permanent Notesに抽出したくなるとき, そこに思考の重複がある. それはコードを書く時の🔖Extract Functionパターンをしたいというときのモチベにかなり似ている.

そしてその背後の価値観には, 🔖DRY原則がある. ああまたおんなじこと書いてる, これは前にも書いたよというちょっとしたイチダチがトリガーになることが多い.

そうすると, いつリファクタリングをするかというTDDでよく議論される論点ともなる. 3ラウンド制とか. しかし, 思想に関しては2つの重複ですでにイラッとするのでextractしてもいいかも.


✨Literature NoteはLINEチャット履歴のようなもの

読書とは筆者と自分の本を元にした会話であり, 📝Literature Notesとはその会話履歴だと思っている.

SlackやReddit, なんなら会議の議事録でもいい.議題が出されていろいろと意見を言い合うのだ.そしてそこに自分の意見だったり他者の意見が出される.そこからよいアイデアが生まれたとき,さてその履歴をみたとき,けっこう内容がぐちゃぐちゃだったりする.だからこそあとからチャット履歴がみやすいように考えたことをPermanent Noteにまとめておくのだ.

そういう理解だと,Literature Notesとは紙でもなんでもいい. わたしは最近モレスキンノートが気になっている.デジタル管理でなくてもいいかもしれない. そして大事なことは,この雑多な議事メモのようなLiterature NoteはZettelkasten Systemには入れないことだ.これは文献管理システムにいれる. AhrensさんはZetoro推しだが,Zetoroにはメモ機能があるのでここをLiterature Noteの格納場所にしているのでは?と推測している.

🤔ツェッテルカステンにおけるグラフビューはメモが増えすぎると使えなくなる

ツェッテルカステンのメモが多すぎると, そもそもつながりを可視化するためのグラフビューが重くなりすぎてしまって表示しないほうがいいという課題がある.

これは技術的課題なので克服できるかもしれないが, これをとってもツェッテルカステンにグラフビューはあまり必要ない気がする. サーバ側の処理でグラフを表示するようなRoam Researchはどうなんだろう. ローカル管理するようなものはちょっとつらい.

✨Zettelkastenを人文学系学術書の読書術の延長で考える

🔦学術書を小出しにしたものが論文

🔗References


💡実際のニコラスルーマンのツェッテルカステンサイト(Niklas Luhmann-Archiv)

実際にニコラスルーマンがツェッテルカステンを行なっていたサイト. Webアーカイブとしてサイト公開されている.

https://niklas-luhmann-archiv.de/

📚TAKE NOTES!(How to Take Smart Notes) - ズング・アーレンス(2021)

Zettelkastenについて日本語で読める唯一の書籍.

👍Zettelkastenの参考文献の決定版はこれ(zettelkasten.de)

ツェッテルカステンについていろんなやり方があり, とくに触ってみたけど使い込んでない情報は間違っていたり用語もバラバラでイマイチ正解がわからなかった. とりあえずこのサイトが一押し.

ツェッテルカステンのアウトプットっぽい書籍