明治以降をまとめる. 明治以前は、🇯🇵日本古典文学

📚私小説

日本の近代小説のジャンル.

作者が直接に経験したことを素材にして, ほぼそのまま書かれた小説. 心境小説.

👨夏目漱石

📚こころ - 夏目漱石

高校1年生の夏休みの課題図書.

👨宮沢賢治

童貞としての宮沢賢治 押野武志 ちくま新書

最近の厚生省の調査によれば、男女の八割が十九歳までに初体験をすましている。

「性欲の乱費は君自殺だよ。いい仕事はできないよ。瞳だけでいいじゃないか、触れてみなくたっていいよ。性愛の墓場までいかなくともいいよ。」

「おれは、たまらなくなると野原へ飛び出すよ。雲にだって女性はいるよ、一瞬の微笑だけでいいんだ。底まで酌み干さなくともいいんだ。においをかいだだけであとは創り出すんだな。」

「童貞といっても、身体や精神について、難しい問題だと思います。積めば、一尺にもなるほど、たくさんの春画をもっていたり、ハバロック・エリスの性学体系の英語の原書を持っているのですから、性や女性についても、たいていの人よりは、深くて広い知識を持っていたわけで、単純で世俗的な意味で言う「童貞」を笑ったのではないでしょうか。」また、ニュートンが生涯一滴の精液ももらさなかったことを例に出して、ここでも、性欲のためにエネルギーを消費するのはつまらないといったという。また、関がある朝、旅装の賢治に会う。顔が紅潮していかにも溌剌とした面持ちであった。岩手郡の外山牧場へ行ってきたという。昨日の夕方出かけていって、一晩中牧場を歩き、今帰ったところであった。「性欲の苦しみはなみたいていではありませんね」そういって分かれる。賢治の童貞を守るための行はなかなか容易ならざるものだと感じ、深い尊崇の念さえ湧いてきたそうである。

「性欲的方面に働く吾人の鋭敏さは本当に窺い知ることができない。独探のように驚くようなところに働いているものである、それは吾人の制御、意識的な外的の意志ではその芽を抑え尽くすことが出来ない。それはもっとも強い無意識的に働く宇宙の意志である。」  梶井基次郎

賢治は三冊の和綴りの春本を出して見せて、「禁欲は、けっきょく何にもなりませんでした、その大きな反動がきて病気になったのです。」「草や木や自然を書くようにエロのことを書きたい」とも語った。

肉体の美しさは、ただ皮膚にあるのみだ。もしも人間がボイオテイアの大山猫のように、皮膚の下にあるものを見せることが出来るならば、だれもが女を見て吐き気を催すことになろう。女の魅力も、実は粘液と血液、水分と胆汁とからできている。いったい考えてもみよ、鼻の孔になにがあるか、腹の中になにが隠されているか。そこにあるのは汚物のみだ。それなのに、どうしたわたしたちは汚物袋を抱きたがるのか。  ドン・ド・クリュニー