階級論、社会階層論. 社会のかたちを明らかにする分野.
社会階層とは
階級. クラス. レイヤ. Social Stratum.
様々な基準によって連続的に分断される社会集団.
🏙社会階級はマルクスの用語. 社会階層も社会階級も似たような意味.
🐥Glossary
🏙階級の再生産
🏙階層化
社会を構成する人々を、その社会的地位の序列により、いくつかの集団に区分すること. クラスで統計的に分類すれば分析しやすい.
形成機能
社会階維持機能
📌格差問題
格差社会, 格差問題について. 格差と分断, セットでよく使われる.
- 世代間: 🔖ジェネレーションギャップ
- 文化間: 🔖カルチャーショック
- 経済間: 💰経済格差
- 家庭: 🏫教育格差
💰経済格差
経済における格差. 経済的地位
ジニ係数
💰貧困率
最低生活費は計算が大変なので、年収中央値の半分以下と経験的に近似される.
🏫教育格差
社会的地位格差
権力格差
階層間のつながり
学問的には構造的には困難. 日常的な深い友情の維持は難しい.
- 同質的な人間関係を好むのは本能的で合理的
- 無理に多様性を求めると精神的消耗
- 選択的多様性:自分が興味を持てる、エネルギーがある時だけで十分
社会的閉鎖
社会的閉鎖(Social Closure)
上流階級は意図的に境界を作る. ウェーバーを発展させた概念。
- 私立学校、会員制クラブ、高級住宅地
- 「適切な人々」との交際を通じた特権の維持
- 日本なら:名門校閥、企業の社交クラブ、高級ゴルフ場会員権など
🌐ホモフィリー
社会ネットワーク、SNS研究の中からでてきた概念. 類は友を呼ぶ(Birds of a Feather)
- 人は自分と似た社会経済的背景を持つ人と友人になりやすい
- 階級、教育、収入、職業が似ている人同士がつながる
- これは意図的な差別ではなく、構造的な結果
💭経済的社会的な階級が違うとかつての友達と価値観がずれてしまった(25/10/01)
👨ピエール・ブルデュー
文化資本論を展開.
私たちが当然だと思っていることが、実は社会階層に規定され、条件づけられている.
ディスタンクシオン
主著. ディスタンクシオン=卓越性.
ブルデューのディスタンクシオンを解説【社会学】 - YouTube
🔦趣味は学歴と出身階層によって規定されている - ピエール・ブルデュー
私たちの日常的な文化的行為、すなわち趣味は、学歴と出身階層によって規定されている
アンケート調査を見ると、あらゆる文化的慣習行動(美術館を訪れること、コンサートに通うこと、展覧会を見に行くこと、読書をすること等々)および文学・絵画・音楽などの選好は、まず教育水準(学歴資格あるいは通学年数によって測定される)に、そして二次的には出身階層に、密接に結びついているということがわかる。
現代でもある程度は効いている
東大合格に「文化資本」はいらないのか。貧困の現場で考えた、目に見えない格差とは | Business Insider Japan
💭音楽の趣味がクラシックからトランスに移ったのは社会階層による社会学的力(25/12/08)
🏙象徴的資本
威信、名誉、注目
「そのように認識されない」が、代わりに社会的に植え付けられた分類スキームによって認識される、あらゆる種類の資本
🏙象徴的暴力
象徴的支配、象徴的暴力.
社会的な力関係が、暴力という形で現れるのではなく、無意識のうちに受け入れられ、正当化される形で現れる現象.
象徴的暴力は、🏙ハビトゥスとして身体化される. 支配的な価値観が「常識」として内面化され、疑問視されなくなる.
✨死にたいという声は象徴的暴力に対する無意識のアラートであり社会学的想像力を起動する
死にたいという声が止まらない原因は、ここにある気がする. 死にたいというのはとても個人的なものに見えて、実は構造的な問題なのではないか?
せめて、アラートを気づきのトリガーとして、社会的想像力で関係性をみることにする. この声の背後にある社会構造はなにか?
<2025-08-10 Sun 08:39>
examples
- 「努力すれば報われる」という能力主義的イデオロギーを信じ込み、失敗を自己責任として受け入れる.
- 教育制度における「優秀/劣等」の区別を自然なものとして内面化する
🏙ハビトゥス
人々の日常経験において蓄積されていくが、個人にそれと自覚されない知覚・思考・行為を生み出す性向. 無意識的な行動・思考の傾向.
📚文化的再生産
支配階級の文化(言語、価値観、知識)が教育制度を通じて世代間に継承され、階級構造が維持される仕組み
- 成果が社会階層の再生産装置として機能する. 教育成果や職業的成果を通じて社会的地位が決まり、それが次世代に継承される構造.
📚文化資本
教育や家庭環境を通じて身につける文化的な知識・技能・趣味. いわゆる育ちのよさについての研究.
- 客体化された文化資本(モノ)
- 絵画
- 骨董品
- 身体化された文化資本(行動様式)
- 言葉遣い
- 所作
- 制度化された文化資本
- 学歴
- 資格
- 価値観
- 書籍
- 🎓教養
- 美術や音楽の鑑賞眼
- 文学や哲学の素養
- 茶道や華道などの作法
- ワインやお茶の知識
文化的同化
新興ブルジョワ(経済資本は豊富だが文化資本が不足している層)にとって、クラシック音楽の習得は上流階級への参入戦略.
美的性向
ブルデュー社会学における「美的性向」はChatGPTで再現可能か|田中侑李
クラシック音楽
- 社会的優位性を生み出す資源
- 文化的優越感や知的階層への帰属意識
- 同じ文化的背景を持つ人々との社会的ネットワークを強化し、結果として既存の社会階層を再生産する役割
日本
資本家階級
企業経営者・株主. 高資産・権力集中
旧中間階級
中小自営・農家など
所得不安定・没落傾向
新中間階級
- 専門職
- 🧑💼管理職
- 高学歴・安定・高収入
<2025-12-09 Tue 10:21> そもそも幹部社員と一般社員では現代日本では身分が違うとして分析されていることに驚く.
労働者階級
- 正社員: 工場・オフィス労働 安定はあるが権力なし
- アルバイト階級 パート・バイト 不安定・低賃金
- 👷貧困階級/アンダークラス: 就労困難・生活保護など. 社会的排除リスク
👷貧困階級/アンダークラス
労働者階級の一部ではあるが、労働者階級としての基本的要件すら欠いているために、極端に貧困で、多くの困難をかかえる人々.
2016年調査では、15%. 今は2割くらい?
アンダークラス落ち
- 最終学歴ドロップアウト. 中退率が他に比べて2倍.
- 就活失敗
- メンタルヘルス. いじめ不登校経験3割.
🔦経済的安定がないと男性配偶率は25%、結婚して子供を持つのは困難 - 橋本健二
男性のアンダークラスの配偶率は25%. 正規労働者は6割、他は8割.
現代日本では、お金がないと結婚して子供を生めないことは明確なまでに統計データに現れるという、残酷な真実. 2016年調査. 平均年収180万円.
2025, 年収わずか216万、結婚できない「アンダークラス」…日本で進行する「階級社会化」の現実(橋本 健二) - 2ページ目 | 現代新書 | 講談社, 75%というのは10年経過してもあまり変わらない.
🔦アンダークラスのメンタルヘルスは他の階級より2倍以上悪い - 橋本健二
- アンダークラスの2割はうつ病通院経験あり. 3割は抑うつ経験あり. 25%は虚無感を抱える.
- 同じ項目は上流階級は1/3, 中間階級は1/2. 桁違い.
橋本健二さんの2016年の調査. p107.
<2025-12-08 Mon 14:21>これはひどい…
🏫教育トラッキングシステム
陸上競技のトラックのように、スタートからゴールまで通過するトラックは決まっている. トラック間移動は困難.
- 成績上 -> 進学校 -> 一流大学 -> 大企業 -> 新中間階級
- 成績中 -> 準進学校 -> 二流大学 -> 中小企業
- 成績下 -> 非進学校 -> Fラン大学 -> 労働者階級
とくに日本的経営でこれが固定化されるという社会構造.
問題点
家庭の経済格差は学校成績に直結する. 進学機会の格差を生む. 学歴格差が階級格差を生み出す.
富永健一
基礎を作った人.
橋本健二
日本の格差社会研究の第一人者はこの人.
170722 模擬講義「格差社会と大学教育」 - YouTube
📚新・日本の階級社会 - 橋本健二(2018)
- 年収と独身率は強く相関. お金がないと結婚できない. 男性の半分は独身.
<2025-12-08 Mon 14:27>町田図書館で借りた.
Topics
🔖分断
蓋をしちゃえば壁の向こうの悲鳴は聞こえない問題.
🆚Anywhereな人々/Somewhereな人々
「Anywhere」と「Somewhere」という二つの社会的なグループ.
デイヴィッド・グッドハート『The Road to Somewhere』(2017年)
Anywhereの人々は、グローバル化を進めるエリート層として政策を主導してきたが、その影響でSomewhereの人々は仕事や生活の安定を失い、不満を募らせた。 その結果、ポピュリズムの台頭(例: Brexit、反移民政策など)につながったと分析されています。
<2025-03-11 Tue 08:11> 👨宇野常寛の遅いインターネットで知った用語. メモはとってなかったけど2ヶ月くらい頭のなかをグルグルしていたのでメモに起こした.
Anywhere(エニウェア)な人々
- 都市部に多く住み、高度な教育を受けた知識層。
- グローバル化やテクノロジーの恩恵を受けやすい。
- 移動性が高く、キャリア志向が強い。
- アイデンティティは普遍的な価値観(リベラル、個人主義、多様性の尊重)に基づく。
- 変化を好み、新しい環境にも適応しやすい。
- 例: 国際的なビジネスパーソン、学者、IT技術者、メディア関係者。
Somewhere(サムウェア)な人々
- 地域に根ざした生活を送り、伝統や共同体を重視する。
- グローバル化による変化(産業の衰退、移民の増加など)に不安を抱く。
- 移動性が低く、故郷や地元のコミュニティに強い帰属意識を持つ。
- 保守的な価値観(家族、宗教、伝統)を重んじる。
- 例: 地方の労働者、農家、中小企業の経営者、公務員。
この分類の意義グッドハートは、近年の政治的・社会的な分断(例: Brexit、トランプ政権の支持層など)を、この「Anywhere」と「Somewhere」の対立として説明しました。
Anywhereの人々は、グローバル化を進めるエリート層として政策を主導してきたが、その影響でSomewhereの人々は仕事や生活の安定を失い、不満を募らせた。その結果、ポピュリズムの台頭(例: Brexit、反移民政策など)につながったと分析されています。この分類は、テクノロジーやグローバル経済の発展が人々の幸福にどう影響を与えるかを考える上でも有用です。