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📑シヌシュポス的䞖界芳

倧孊生のずきの写し曞きメモ

孊生圓時の所感: 🌱青幎期の実存的危機

真に重倧な哲孊䞊の問題は䞀぀しかない。自殺ずいうこずだ。人生が生きるに倀するか吊かを刀断する、これが哲孊の根本問題に答えるこずなのだ。それ以倖のこずは、遊戯であり、たずこの根本問題に答えなければならぬ。そしお、哲孊者たるもの身をもっお範をたれおこそはじめお尊敬に倀するずいうのが真実であるずすれば、そのずき、この根本問題に答えるこずがどれほど重芁なこずであるか、玍埗できよう。

ふず、舞台装眮が厩壊するこずがある。起床、電車、䌚瀟や工堎での四幎間、食事、電車、四時間の仕事、食事、睡眠、同じリズムで流れおゆく月火氎朚金土、・・・こういう道を、たいおいの時はすらすらず蟿っおいる。ずころがある日、《なぜ》ずいう問いが頭をもたげる、するず、驚きの色に染められたこの倊怠の䞭ですべおがはじたる。《はじたる》これが重倧なのだ。機械的な生掻の果おに倊怠がある、が、それは同時に意識の運動の端緒ずなる。意識を目芚めさせ、それに続く運動を巻き起こす。それに続く運動、それは、あの日垞の動䜜の連鎖ぞの無意識的な回垰か、決定的な目芚めか、そおどちらかだ。そしお、目芚めの果おに、やがお、結末が、自殺あるいは再起か、そのどちらかの結末が蚪れる。ずりたおおこずもない人生の来る日も来る日も、時間ががくらをい぀も同じように支えおいる。だが、がくらの方で時間を支えなければならぬずきが、い぀か必ずやっお来る。

いかなる矎であろうず、その奥底には、なにか非人間的なものが暪たわっおいる。かなたに連なる䞘、空の優しさ、朚々のたたずたい、・・・それらが、たさしくその瞬間、がくらから着せかけられおいたむなしい意味を倱い、もはやそれ以埌は、倱われた楜園よりもさらに遠いものずなっおしたう。

生の玔粋な炎以倖のいっさいのものに察する、あの信じがたい無関心、・・・そう、実にはっきりず感じられよう、こうした状態においおこそ、死ず䞍条理ずが、劥圓な唯䞀の自由の、぀たり人間の心情が経隓し生きるこずのできる自由の原理ずなるのだ。こうしお䞍条理な人間は、炎ず燃え䞊がりしかも冷たく凍った宇宙、どこたでも透明でしかも限界のある宇宙、なにひず぀可胜ではなくしかもすべおが䞎えられおいる宇宙、それをすぎた先は厩壊ず虚無にほかならぬような宇宙を垣間芋る。そのずき圌は、このような宇宙の䞭を生きるこずを受け入れ、そこから力ず垌望の拒吊ずを匕き出し、慰められるこずの決しおない人生を執拗に蚌しようずする決意を固めるこずができるのだ。

重芁なのは最もよく生きるこずではなく、最も倚く生きるこずだ。同じ幎数を生きた二人の人間に察しお、䞖界は垞に同じ量の経隓を提䟛する。それを意識化するのは受け取る偎の問題ずいうこず、しかも可胜な限り倚くを生きるずいうこずだ。そしお、すべおを明晰に芋分けおいるずき、䟡倀のシステムは無甚ずなる。どのような深さ、どのような感動、どのような情熱、どのような自己犠牲があろうず、四十幎の意識的な障害ず六十幎にわたる聡明なたなざしずが、䞍条理な人間の目に等しいものずしお映るこずは、ありえないだろう。

神々がシヌシュポスに課した刑眰は、䌑みなく岩をころがしお、あるや間の頂たで運び䞊げるずいうものであったが、ひずたび山頂にたで達するず、岩はそれ自䜓の重さでい぀も転がり萜ちおしたうのであった。無益で垌望のない劎働ほど恐ろしい刑眰はないず神々が考えたのは、確かにいくらかはもっずもなこずであった。

緊匵したからだが、あらん限りの努力を傟けお、巚倧な岩を持ち䞊げ、ころがし、䜕癟回目もの同じ斜面にそれを抌し䞊げようずしおいる姿が描かれおいるだけだ。倩のない空間ず深さのない時間ずによっお枬られるこの長い努力の果おに、぀いに目的は達せられる。するずシヌシュポスは、岩がたちたちのうちに、はるか䞋の方の䞖界ぞず転がり萜ちおゆくのをじっず芋぀める。その䞋の方の䞖界から、再び岩を山頂たで抌し䞊げおこなければならぬのだ。圌は再び平原ぞず戻っおゆく。

こうやっおふもずぞず戻っおゆくあいだ、この䌑止の間のシヌシュポスこそ、がくの関心をそそる。圌の䞍幞ず同じく、確実に繰り返し舞い戻っおくるこの時間、これは意識の匵り぀めた時間だ。圌が山頂を離れ、神々の掞穎の方ぞず少しず぀くだっおゆくこのずきの、どの瞬間においおも、あれは自分の運呜よりたち勝っおいる。

この神話が悲劇的であるのは、䞻人公が意識に目芚めおいるからだ。今日の劎働者は、生掻の毎日毎日を、同じ仕事に埓事しおいる。その運呜はシヌシュポスに劣らず無意味だ。しかし、圌が悲劇であるのは、圌が意識的になるたれな瞬間だけだ。無力で反抗するシヌシュポスは、自分の悲惚なあり方をすみずみたで知っおいる。たさにこの悲惚なあり方を、圌は䞋山の間じゅう考えおいるのだ。圌を苊しめたに違いない明哲な芖力が、同時に、圌の勝利を完璧なものたらしめる。䟮蔑によっお乗り越えられぬ運呜はないのである。このように、䞋山が苊しみのうちになされる日々もあるが、それが悊びのうちになされるこずもあるのだ。幞犏ず䞍条理ずはひず぀の倧地から生たれた二人の息子である。

圌の努力はもはや終わるこずがないであろう。人にはそれぞれの運呜があるにしおも、人間を超えた宿呜などありはしない。少なくずも、そういう宿呜はひず぀しかないし、しかもその宿呜ずは、人間はい぀か必ず死ぬずいう䞍可避なもの、しかも軜蔑すべきものだず、䞍条理な人間は刀断しおいる。それ以倖に぀いおは、䞍条理な人間は、自分こそが自分の日々を支配するものだず知っおいる。

がくはシヌシュポスを山の麓に残そうひずはい぀も、繰り返し繰り返し、自分の重課を芋いだす。しかし、シヌシュポスは、神々を日手氏、岩を持ち䞊げるより高次の忠実さをを人に教える。かれもたた、すべおよし、ず刀断しおるのだ。このずき以埌、もはや支配者を持たぬこの宇宙は、圌には䞍毛だずもくだらぬずも思えない。この石の䞊の結晶䞀぀䞀぀が、倜に満たされたこの山の鉱物物質の茝きの䞀぀䞀぀が、それだけで、䞀぀の䞖界を圢䜜る。頂䞊をめがける闘争ただそれだけで、人間の心を満たすのに十分足りるのだ。いたや、シヌシュポスは幞犏なのだず思わなければならぬ。