📚自由からの逃走 - エーリッヒ・フロム(1941)
- 人々がなぜ自由を放棄し独裁体制を生み出してしまうのか.
- 人間が自ら自由を放棄してしまう心理的メカニズムを明らかにした.
- ナチズムに傾倒していったドイツを考察したことから生み出された.
封建社会と自由
一次的絆.
封建社会という中世的社会の崩壊は、社会のすべての階級にたいして、一つの重要な意味を持っていた。すなわち個人はひとりとりのこされ、孤独に陥った。かれは自由になった。しかしこの自由は二重の意味をもっていた。人間は以前に享受していた安定性と疑う余地のない帰属感とをうばわれ、経済的にも精神的にも個人の安定を求める要求をみたしてくれた外界から、解き放たれたのである。かれは孤独となり、不安に襲われた。しかしかれはまた自由となり、独立して行動し考えることができ、自己の主人となることができた。また自分の生活を人から命じられるようにではなく、自分がなしうるようにとりはからうようになった
「への自由」と「からの自由」
- 「への自由」:自我の実現を目的とした「全的統一的なパースナリティの自発的な行為のうちに存する」積極的態度(p.285)。愛。🗽積極的自由
- 個人が個人的自我を喪失せず、個人的自我を確立させ、思考や感情や感覚などの表現ができるような状態.
- 「からの自由」: 個人が独立して存在する前につながれていた社会的絆(一次的絆)から解き放たれること。結果、人間は「個性化」への道を歩み始めるが、その反面全てから引き離されていると自覚し、無力感と不安感を抱く。🗽消極的自由
- 親子関係で言えば子供を親と結び付けている絆
- 中世で言えば封建制社会など社会的な制度的な絆
🔦人は自由になると孤独と不安の重圧に耐えられなくなり自ら自由を放棄する - エーリッヒ・フロム
人間が自由になると孤独感や無力感を抱えることになり、自ら自由を放棄してしまう.
- 孤立感
- 不安感
自由からの逃走の類型
権威主義への逃避
他人を自分の権威の支配下に置いたり、他人の権威に自分の自由を託すことによって、身の安全を求める心理
破壊主義への逃避
他者や自分自身を攻撃することによって不安から逃れようとする心理
機械的画一性への逃避
周囲の人と合わせることによって、自分が自由に発想することを放棄してしまう心理.
自動人形的同調性