無上ヨーガ・タントラ(アヌッタラ・タントラ/Anuttarayoga Tantra)

  • ☸仏教、そして☸密教の最終到達地点.
  • 後期密教. 9世紀から13世紀.
  • 13世紀にインド仏教は滅びるがチベットでは13世紀以後も実施されていた.
  • 中国や日本には伝わっていない. 経典もほぼ漢訳されてない.
  • 性的ヨーガ. 性秘術.

分類

3分類.

  • 父タントラ
  • 母タントラ
  • 双入不二タントラ

仏

  • ヘーヴァジュラ: 喜金剛
  • チャクラサンヴァラ: 勝楽尊
  • カーラチャクラ: 時輪仏

🔯ヤブユム/歓喜仏

合体している仏.

  • 検索すると笑うやつ.
  • ガネーシャを意味する歓喜天とは別物.

ヤブユム - Wikipedia

📚時輪タントラ

カーラチャクラ・タントラ. 無上瑜伽タントラ経典.

時輪タントラ - Wikipedia

大楽思想

📝空/シューニャ + 快楽

仏教美術

秘密集会タントラ

ひみつしゅうえ, グヒヤサマージャータントラ.

  • ツォンカパいわく、これが究極の仏教.
  • インド仏教界にすさまじい衝撃をあたえた.
  • 2大派閥があった

ジュニャーナバーダ流

全員性的ヨーガ.

聖者流

ツォンカパ. ひとりが性的ヨーガ.

🔯人間曼荼羅

墓場で男女が代わる代わる合体する.

なおこれは秘密集会なので未だ研究されてない. 門外不出、誰かにいうと殺される. いつどこで実施されているかはわかっているらしい.

修行

次第=プロセス. 儀式.

生起次第

本尊とマンダラの観想

日本密教とも似ている. 観想のなかで性的ヨーガを実践する.

究竟次第

性的ヨーガ. ゾクリム. 脈・風・明点を扱う段階, 微細身の作業全体

これを実際の女性パートナーとするか、観想にするかは激しい議論が絶えない. ツォンカパは性的ヨーガの圧倒的な力をみとめつつも、女性パートナーではなく観想にすべきと説いた.

また、乱交ではなく、男性パートナーと女性パートナーは固定することが多い.

🔥トゥンモ

🔥トゥンモ

トゥンモ、ツンモ. 内なる火の修行.

  • 脈・風・明点(ツァ・ルン・ティクレ)の三点セット
  • 風を中央管(アヴァドゥーティ)に集める
  • 臍下、三脈の交点で微細な火(チャンダーリー)を点火する
  • 火が燃え上がり、頭頂の白い菩提心(明点)を溶かす
  • 溶けた滴が四つのチャクラを順に下降し、四歓喜を生む。頂点が倶生歓喜
  • この大楽を空性の証得と合一させる → 楽空不二

🌙アムリタ・ヨーガとは同時代.

体温上昇

脈(ツァ)

🍃風(ルン)

生命活動を司る「風」(ルン)というエネルギー.

明点(ティクレ)

🔥チャンダーリー(拙火)

バストリカ(ふいごの呼吸)で活性化

クンダリーニとの違い

部品が完全に一致している

  • 頭部の滴
  • 臍の火
  • 滴の下降

往復運動になっている点がツンモの特徴

  • クンダリーニ: 基部から頭頂へ上昇し、そこで完成
  • ツンモ: 臍から火が上昇した後、溶けた甘露が下降する。大楽は下降の過程で生じる

ハタヨガのビンドゥ・モデルでは、この下降こそが老いと死の原因であり、逆転・封印・止息によって阻止

秘密灌頂

かんじょう. 一大儀礼. 性行為を伴うため、秘技中の秘技. ひみつかんちょうではない.

💡後期密教では男性の精液は菩提心の象徴として少女の愛液と混ぜて弟子の口中に投入する

後期密教では男性の精液は菩提心. 射精とは菩提心の放出.

そのため、師の僧が女性パートナーと性交し、精液と愛液の混ざったものを菩提心と称して弟子の口中にいれる. マハームドラーは16歳くらいの少女.

逆に言えば、灌頂儀礼以外の射精は戒律によって固く禁じられる. 弟子達は精液の保存に極度に関心を示さざるをえず、夢精を恐れて眠るに眠れなかった.


<2025-05-13 Tue 23:08> ギャグかと思った. ちくま新書、チベット密教p123. 図書館で借りた書籍なので男性の精液は菩提心というパワーワードに誰かが線をひいてあった.

カーマムドラ

日本語情報なし.

性的ヨーガ問題

密教は仏教の中でも特に厳しい戒律をもちながら、なお性的ヨーガをするという、矛盾,

💡ヒンドゥー教の台頭で人気が失速していくインド仏教最後の切り札が性の領域

しかし、仏教が性領域を開発して修行法にとりいれると、ヒンドゥー教はもとより、苦行主義のジャイナ教まで性を修行に取り入れた.


むちゃくちゃだ…お客さんがいないと生きていけない世界. ジャイナ教はSMなの?

具体的には7世紀からライジングしてきたヒンドゥー🐍シャクティ派. シャクティ派は性力を重視することで庶民の信仰を獲得した. 仏教はこれに性秘儀のインパクトで庶民、とりわけヒンドゥー教のなかで差別されている底辺の人々を取り込むことにした。

ref.「性秘儀」と「女人禁制」の密教史 -仏教の危機が生んだ思想-

💡ゲルク派は密教の修行の前に顕教を二十年くらいかけて修める

密教にすすめるのは十人に一人、こんなに長い年月をかけてやっと進めるのが性的ヨーガなのか…

落語家の真打ち制度みたい.

☸ゲルク派

インド後期密教が性的ヨーガで自滅したのでチベット密教では性秘儀を禁止し観想性的ヨーガを選ぶ

これは具体的にはツォンカパ. 性的ヨーガの悟り力は認めつつも社会的にまずいという判断.

想像上の性的ヨーガならば戒律違反にならないんじゃないか?

🔗References

タントラ経典

  • 『ヘーヴァジュラ・タントラ』(喜金剛)— チャンダーリーが明示的に現れる
  • 『チャクラサンヴァラ』(勝楽)
  • 『グヒヤサマージャ』(秘密集会)— 五次第(パンチャクラマ)の体系
  • 『カーラチャクラ』(時輪)— 独自の精緻な版