マーケットデータの基礎知識まとめ

注文情報, 約定情報およびそれらの統計情報. いわゆるトレード画面を開いてそこに書いてある単語が説明できれば合格.

基本は以下の3つ.

これらは基礎知識であるが, 📝タイムバーをベースにしている. タイムバーを使わない発展的な話題は別メモで📝バー(Bar).

板情報の基礎用語

板情報に登場する用語について勉強したことまとめ.

📝板情報/LOB

Limit Order Book. 英語圏ではLOBと略されて表記されることがおおい.

個別銘柄の売り注文と買い注文の状況を示したもの. 買いと売りの指値注文リスト.

板情報に並べられている価格は全て指値注文であり, 買い注文は価格が高い順に, 売り注文は価格が安い順に並べられている.

成行注文よりも指値注文のほうが優先して約定される.


市場の深さという意味でDepth of Market(DOM)ともいい, DOMという言葉でOrderbookを指すこともある(cf. 📝デプス(depth))


しばしば, 板と表現される. asksが売板, bidsが買板. また, orderbookは注文リストであり, 注文(order)そのものではない.

ちなみに英語を詳しく調べて見るとboardはほとんど検索ででてこなくてOrder Bookがほとんど. 板とは和製英語かな? もしくはOrder bookとは電子の注文リストとあるので昔はboardだったか.

orderbookという複合語ではない, order book. orderは注文という意味で, bookは語源はなにか文字が書かれたものをを束ねたもの.

いずれにしろboardは多様な意味があるためorder bookのほうが狭義でよいかも.


同じ値段(price)に並んでいる数量をsite, quantity, Qtyと表現している.



📝価格/Price

ある商品や資産(株式、通貨、商品など)の特定の数量に対する交換価値.

cf. 🪙為替レート/Rate, 具体的な資産ではなく、数学的な倍率.

📝Quote Level

板情報で表示されるマーケットデータには業界標準のレベルがある. Quoteとは要約.

  • Level1, L1: トレード画面にでてくるような基本的な情報.
    • Trade and Quotes(TAQ) Dataともいう.
  • Level2, L2: HFTが参照するような情報.
  • Level3, L3: マーケットのすべての情報.

📝気配値(quote)

板に並んでいる希望価格. 買い指値, 売り指値.

英語ではquote price.

指値とのニュアンスの違いは, 指値はマーケットメイカーが値段を指定する時に指定する値だが, 気配値は板に乗っている注文を買ったり売ったりしたい人から見た視点.

さらにリアルタイムに配信されている情報をしばしばBBO(best bid and offer quotes)という.

📝呼値

よびねと読む(こちではない). 呼び値とも表記.

offer price, mark price, 発注価格.

指値注文で指定する特定の値. 注文の売買区別を含めた価格.

呼び値の単位を特にティックという.


この用語について, 呼値がそのまま使われている用例が少ないように見える. 検索しても, 呼値の範囲とか, 呼値の幅とかというように, ティックを説明刷るための記事がおおい. 注意することは, 呼値と呼値の幅では指すものが違うということ.

📝Bid/Ask

Bidは売値, Askは買値. 📝板情報において, 上段がAsk板, 下段がBid板と呼ばれている.


しかしこれは少し誤解しやすいのでもう少し解きほぐす.

この売買はトレーダー視点(成行注文)であることに注意. 画面に表示されている売値でトレーダーは売り, 買値で買う. トレーダー視点とは, 現在の板の情報をみて成行注文で売買をするときの視点.

ややこしいのはマーケットメイカー視点(指値注文)の場合. これは板に自分の希望価格を並べる注文. 売り注文(sell)のときはaskを 指定してAsk板(上段)に自分の注文を並べる. 買い注文(buy)のときはbidを 指定してBid板(下段)に自分の注文を並べる.

この指値注文と成行注文での売値と買値の意味の逆転とbid/askの関係がややこしい. 慣れかもしれない, 慣れれば右と左のように本能的にわかる.

Bidはpay, Askはofferといわれることもあるので注意.


📝最良価格(best rate)

最良気配ともいう(検索だと最良気配でひっかかる). いわゆるbest rate. カタカナでベストレートと表記されることもある.

ベストbid, best bidとはBid板における最高値であり, 板情報で下段の先頭にある値. ベストask, best askとはAsk板における最低値であり, 板情報で上段の先頭にある値. 成行注文ではこの値で約定する.

これは推測だが最良執行条件価格の略ではないかと思う. つまり価格優先の原則における最も優先される価格.

📊スプレッド(Bid-Ask Spread)

買値(ask)と売値(bid)の価格差.

スプレッドといってもいろいろと種類がある. いずれも流動性を測るための指標. どの指標も訳語がない気がした.

Quoted spread

単にスプレッドというとこれを指している場合が多い.

最低ask から 最高bidを引いたものを中央値で割った割合(%).

quotedは個々では見積もりの意.

Effective spread

実効価格. Quoted spreadは概してトレーダーによる意図的な操作(Price Improvement)によって操作されている. 変な話, バグってとんでもなくお得な値段で売ることもできるわけだ. 実際のbid/askの均衡による価格をあらわしてない.

板情報歩み値から意図的操作ではない需要と供給によって決まるような価格を推定したものをquoted spredに対するeffective spreadという.

effective spread = 2 x ((trade price) - (midpoint))/(midpoint) x 100

市場価格を推定, つまり利益を得るためにいくらで注文を出すかを決めるすることは難しく, ブローカーたちが競い合うべき論点でもある.

Realized spread

📊デプス(depth)

デプス(depth)とは板の厚み.

最良指値付近の注文の累積量のこと. 厚みの上限を設定するのは人それぞれだが, 分布ではなく和が取られる.

bid/askの総量は流動性を測る指標としてもつかわれる. またbid/askのバランスによって情報の偏りからをディレクション予測にも使われる(注文フローの偏り).

若干使われ方がバラバラだけれども, 慣例としてこれは価格帯ごとのデプスの分布(cf. heatmap)ではない, 累積和の意.

📈デプスチャート

デプス(depth), 板の厚みを可視化したチャートをとくに デプスチャート という. ローソク足チャートの右にていることが多い.

📁トレードデ, ータ可視化

📊市場価格(market price)

Market Price. 最も将来売買される可能性のある価格. Market Value, 市場の価値ともいう.

trading price, transaction price, implicit priceなど, 文脈でいろいろ呼び方があるようにみえる. 可能性ということで, これを正確に推定することが必要となり, 論点となる.

これは🔖Indicatorのようなものであり, 将来の実際の価格ではない(将来の価格はわからない). たとえばBid/Askの中央値などの各種統計量(インジケータ)から推定する.

適正価格(fair price)はmarket priceの対概念であり, トレードの本質のひとつはmarket priceとfair priceの価格差を見極めること.


📝現在価格(LTP)という意味で使われているかもしれないが, 現在価格と市場価格は異なる概念なので文脈をよく読む.

Market Price Definition

📊適正価格(fair price)

真の価値. 公正な価格(fair price), 適切な価値(fair value).

市場価格の対義語として, よく登場する. 正確な適正価格は誰にもわからないからこそ, その価値や価格を推定して市場価格との差分があると, その商品が実際に割高か割安を判断するための材料となり, 収益源となる.

ファンダメンタル価格(fundamental price), ファンダメンタル価値(fundamental value).


📊市場仲値(mid price)

仲値, 市場仲値, ミッドレート, ミッドマーケットレート, ミッドマーケットプライス… いろいろと呼び方がある.

mid-price, mid-point, MPとも表記される.

売りと買いの最良価格の間の値. 平均値または中央値.

市場価格の具体的な計算方法の一つなので同義として使われることもおおい.

📊Price Improvement

訳語不明. 実際の見積価格よりbidは高く, askは安く指値注文をすることで取引を意図的に出すことで利益を得ようとする注文.

‘trading inside the spread’とも.

📝マーケットメイクなどはまさにこれ.

ref. Price Improvement Definition

📝ティッカー(Ticker Symbol)

正式にはティッカーシンボル. 銘柄を表すアルファベット.

ticker symbol. シンボル, または略してtickerとも.

派生して, 銘柄を表す商品の要約レポートのデータセット. 具体的にはその瞬間の板情報の要約だったりする. 英語では, Latest Information for Symbolなんて表現される.

ex. )JPY, BTC, USD…

ティック(tick)とは名前が似ているがべつの概念なので注意.


📝レート(rate)

📝率(rate)

rate. 為替レートの略で, 交換比率. 価格の意味で使われていることもある.

比率だと, 正確にはrateよりもratioが正しいのかも.

📝decimals

decimalsはとくにトレードにおける価格の文脈では小数点以下の桁数を指す.

cf. 一般的には単数系のdecimalでデータ型や10進数を表す.

歩み値の基礎知識

歩み値に登場する用語について勉強したことまとめ. 約定履歴の基礎知識.

📝歩み値

executions, or trades, or Time & Sales. その株価の推移を時系列で表したもの.

最もシンプルかつ基本的には, 時刻と約定価格のセット. 基本的には株価の時系列情報, 時刻と約定価格のセットの表形式(tabulur)データ.

しかし表示方法は各証券会社によって様々. 時刻と銘柄, 取引量, 約定価格がセットで時系列に並べられた表.

たとえば約定した出来高をセットにしている場合はとても多い. また価格に色がついていることもおおい. 最終約定価格に対して現在の価格が情報した場合(up tick)は赤, 逆は青だったり緑だったり.

売買の情報がついていることも. この約定を発生させた注文(テイカー)の売買種別. 板に並んでいる売注文に対する成行注文か, その逆か.

Trade Hitoriesともいう, 取引(売買)の履歴を表にしたもの.

executionsとも. executionは約定の意であり, その複数系としての時系列の表.

📝簿価

エントリー価格(entry price). 購入時の価格.

暗号資産での確定申告の📝総平均法の文脈でよく出てくる.

📝約定価格/現在価格(LTP/current price)

current price, last price, または単にprice.

一般的にトレードにおいて価格というとこの最終約定価格, 直近価格(Last Trading Price, LTP)を指す.

📊OHLCにおけるClosed Priceと同じように書かれることもあるが, LTPは時間によるGroupingを包含する上位概念.


紛らわしいのは市場価格との関係. priceは約定した過去であり, bid/askは未来の希望. 現在の価値を正確に表現するのは未来の希望価格よりも過去の取引価格のほうがより現在の価値を反映している.

注文が執行するという点で執行価格ともいわれる.


さらに金融商品によって言い方は変わる.

  • 株: stock price, 株価
  • 証券: security price, 証券価格.

ref. Current Price Definition

ローソク足の基礎知識

📝ティック(tick)

tick. 値動き変化の最小単位. 呼値の単位, 幅, 範囲.

さらにいえば画面表示されるいろんな数値の最小基準値なっている.

ローソク足の移り変わりが1分単位ならば1分足, 5分単位ならば5分足などと表現される.

ただティックだったりtickだったりbarが, 値動きの単位ではなくてローソク足(データセット)を意味して使われているケースはとても多く, 値動き単位をtick sizeとして区別して使っていることもおおい.

📝ティックサイズ(tick size)

tick size. 呼値の単位. 価格増分単位と訳されることもある.

FXだとpip.

📝ローソク足

ローソク足(Candlestick)とは, 一定期間の相場の4本値(始値/高値/安値/終値)を用いて一本の棒状の足を生成したもの. 足と省略される. 📝バー(Bar)のサンプリング方法のひとつ.

timeseriesを要約(aggregted)したもの, summary.

ローソク足は陽線と陰線の2種類に分類できる. 始値より終値が高い場合を「陽線」といい、始値より終値が低い場合を「陰線」. 線を俗に📝ヒゲという.

上ヒゲ(Upper Shadow), 下ヒゲ(Lower Shadow), 実体の3つから構成される.

📈ローソク足チャート

📊OHLCV

OHLCはopen-high-low-close の略. OHLCはそれぞれ以下の略.

  • 始値(Open)
  • 高値(High)
  • 安値(Low)
  • 終値(Close)

ある一定期間の値動きでこの4つの値をまとめたデータセット.

これはデータセットであり, たとえば板情報のbidなどを利用してもOHLCは作成可能. しかし一般的には最終約定価格(株価など)から作成することが多く, しばしばOHLCはローソク足やbar, tickと同義で使われる.

これに出来高(Volume)を加えてOHLCVとして扱われることのほうが多い.

つまり6つのデータがまとまっている.

  • timestamp
  • open
  • high
  • low
  • close
  • volume

timestampをopen の時間かcloseの時間にするかは取引所によってルールが異なるようで統一見解はないようだ.

link. data - Candlesticks: timestamp on open versus close - Quantitative Finance Stack Exchange

マーケット情報Insights

🤔ティックとティッカーが誤用されている?

ティックティッカーが間違えやすい. なんなら日本語で書かれている情報はティッカーをティックと表記していることが多く, さらに混乱する.

ティック(tick)は値幅であり, 価格情報. ティッカー(ticker)はその瞬間のマーケット情報のスナップショットでありいろんな情報のsummary.

🤔bid/askを時間で要約した統計量がOHLC

(bese)bid/askはその瞬間の板情報であり, OHLCは一定期間tによって要約した統計量(関数を適用して算出する値)の関係.

その計算式は取引所によって決まっていて決定的なルールはない. bidの価格だったり, bidとaskの平均だったり.

🔗References